【PR】【DXを語る】TSIのDXが加速するカギにせまる

2022/02/09 00:00 更新


 現在58ブランドを擁するTSIホールディングスは、昨春から2024年に向けての改革プログラム「TSIイノベーションプログラム2024」をスタートさせたが、その柱のひとつがデジタル化だ。今回はそのデジタル化を推進している株式会社TSIホールディングスの今泉純取締役DX戦略部長と、衣服・ライフスタイル産業が抱える社会課題を解決するクラウドサービス「sitateru CLOUD(シタテルクラウド)」を提供するシタテル株式会社の菊池裕介執行役員CPOに業界の喫緊の課題であるアパレルDX推進について語ってもらった。

■「個人最適」による非効率

――アパレル製造・流通には課題が多い

菊池氏/衣服やライフスタイル商材の生産プラットフォームとして事業を始めましたが、いざ取り組んでみると、業界ならではのアナログな方法で業務を進めたり、データや情報がバラバラで一元管理されていないなど、業務の非効率を生み出す負があまりにも多いことに直面しました。これらの業界にはびこる、あらゆる負を解消するために「sitateru CLOUD」を開発し、一昨年リリースしました。デジタルを駆使することで非効率な要素を排除し、企画から生産、販売に至るまでを一気通貫させて、効率的な商品供給を可能にします。

――レガシーな企業は非効率な面が多い

今泉氏/広告代理店から京セラグループに移り、その後、NTTデータで12年ほど、ずっと今まで新規事業中心にやってきて、2012年にTSIに入社しました。弊社が基幹システム・会計システム・店頭システムのビッグバン更改とEC化の拡大を実現するために参加したのですが、最初に驚いたのは菊池さんのお話と同じで、業務のアナログさです。もっと気になったのはシステムが非常に作り込まれていた点です。

――というと

今泉氏/個々人がシステムに合わせるのではなく、システムを個々人に合わせてカスタマイズさせていました。個人的には使いやすくなりますが、会社としては本当にそのカスタマイズされた方法が効率的なのか、合理性があるのかについて、あまり議論がされてきませんでした。アパレル産業に限った話ではありませんが、このことは海外と日本の労働生産性の大きな違いに表れています。

実は、対GDP比のIT投資額は日本とアメリカであまり変わりません。しかし、生産性に関しては雲泥の差。日本がIT投資の9割近くをシステム構築のカスタマイズに充てる一方、アメリカはソフトウェアのライセンスを購入し、個々はシステムに従って仕事をしています。

個人に依拠した仕事の進め方はノウハウが個人に蓄積されるのみで、会社には蓄積されません。また、成果が個人のパフォーマンスに依存することになり、会社として状況に合わせてコントロールすることができません。

菊池氏/他にも、個人に依拠した仕事の進め方は様々な弊害が生じます。例えば、担当者が個人で電話やファックス、メール、LINEなどで取引先とやり取りをしていると、担当者が休んだ時に他の人は誰も状況がわからない、ということが発生しています。

マネジメント層もこのような非効率さを理解していますが、いざ現場に効率化を促すと、現場が変化を嫌がる傾向もあり、経営が踏み込めない実情もあるようです。

他にも、効率化を推進しようと試みて、部分最適を目的に色々とツールを導入した結果、ツール間の連携が上手くいかず、結果的に余計に効率が悪くなっているケースもあります。

シタテル 執行役員CPO 菊池裕介氏

■約1,500社のサプライヤーがクラウド内で業務を推進

――DX以前の問題だ

今泉氏/その通りです。DX(デジタルトランスフォーメーション)はデジタルよりも、トランスフォーメーション(変容)が主眼。この業界は、システム導入することがDXだと思っている人が多いのではないでしょうか。システム導入だけならただのIT化に過ぎません。デジタルを使ってトランスフォーメーション、つまり変革をしないとDXは成立しません。システム導入を入り口に、デジタル化が進む市場において、新たな付加価値を生み出せるように、従来のビジネスモデルや組織を変革させることが、企業には求められています。

最近ではEC化率とか、DtoC(メーカー直販)ブランドがどうとか、色々言われていますが、あれらはDXのゴールではなく、あくまでひとつの手段に過ぎません。DXのゴールそのものはもっと奥深いところにあると思うので、思考錯誤しながら、答えを模索する必要があるのではないでしょうか。

―――シタテルに相談にくる企業はどんな課題を抱えているのか

菊池氏/1番は「DXって何をすれば良いかわからない」というご相談です。さっきの今泉さんのお話ではないですが、システム導入が目的になってしまっていて、原価を削減したいのか、売上を伸ばしたいのか、本来の目的が曖昧になってしまっているケースが多いと感じています。

sitateru CLOUDは、サプライヤー含め関係者全員がクラウド上で業務を進めるので、情報の連携などが容易にできます。メッセージのやり取りができることはもちろん、常に最新版のファイルを格納することもでき、全ての情報をクラウド上で管理することができます。加えて、クライアントの業務プロセスを軸として、「何をどうすれば生産性を高められるのか、どのように企業の経営課題を解決するのか」ということをコンサルティングしながら進めます。

―――生産のプラットフォームも様々出ている。強みは

菊池氏/1番のコアは生産工程で利害関係者が、過不足なく、十分にコミュニケーションがとれる点です。他にも約1,500社のサプライヤーが登録されていることは他にはない強みです。

今泉氏/おっしゃる通りで、シタテルさんの強みは約1,500社ものサプライヤーが登録されていることで、製造委託先をすぐに見つけられるという点でしょうね。生産する際に最適な委託先も見つけたい、という会社は多いですからね。

あとは、今後あれば強みになると思うのが、需要予測です。

菊池氏/確かに、あらゆるデータを分析、活用して、何をどれだけ作ればいいのか、最適解を導き出すことについては多くのご要望をいただいています。これからの時代、多品種小ロットが強く求められるので、時代の変化に対して柔軟に対応できるシステムにしたいと考えています。

今泉氏/正確な数字を導き出すのは難しいですよね。人がたくさんいるからといって、正解を出せるわけでもないですし。

菊池氏/もしデータを分析して、発注商品や数がわかっても、工場側のキャパシティが追いつかない場合もあります。そのような負に対しても、「sitateru CLOUD」の発注側とサプライヤー側の両者をつなげるネットワークを活用すれば解消することが可能です。発注側が「この商品をこれだけ作りたい」と言えば、ラインの空いているサプライヤー側が「できますよ」と手を上げて受発注が成立する。ビジネスがクラウド上で最適化できるわけです。

TSIホールディングス 取締役DX戦略部長 今泉純氏

■DXは世界市場への道

―――ここから先の展望について

今泉/企業は衣服・ライフスタイル製品の企画から調達、生産、販売までが全てクラウド上で完結できるようになり、DXを推進した先に何ができるのか。コストが下がるとか仕事の精度が上がると言われていますが、それは足し算や引き算でしか考えられていません。投資対効果を最大限まで引き出すためには、DXは掛け算で考えるべきです。

全ての掛け算がうまくいくと、大きな歯車が少しずつ噛み合って動き出し、世界市場への道が開けます。例えば、ネットワーク上で色々なタレント(才能)と協業できるようになるのではないでしょうか。実はコンテンツの世界ではすでに行われていることですが、衣服・ライフスタイル製品はインハウスのデザイナーだけに頼っている、という実情はどうなのでしょうか。

世界中のタレントとつながることができれば、クリエーションの質を格段に高めることができるはずです。天才デザイナーはいつどこに現れるのかわかりませんし、現れたところで再現性はありません。世界中の才能とのつながりを通じて、クリエイティブ分野にどう科学変化を起こせるのかが重要になってくるのではないでしょうか。

とは言うものの、我々も、自社内や系列の工場と仕事をすることの方が圧倒的に多く、こうした考え方に変化するまでは時間がかかります。しかし、データが共有されたプラットフォームの世界が実現すれば、この意識も変わらざるを得ないでしょう。

すでに、コロナショックやSDGsが我々のビジネスモデルの転換を促しています。独自のプロトコル(規格)だけで成長できる時代ではなくなりました。

菊池氏/我々もサービスの改良を続け、さらに価値のあるプラットフォームを提供できるようにしていきます。「sitateru CLOUD」内で、ものづくりをしたい人たちが自由に繋がり、また新たな取り組みが生まれる、というサイクルをつくるのが理想です。会社を飛び越えて、個人同士も繋がることができる世界です。今はまだ一部しかできていないですが、ここをもう一段上の領域にまであげていきたいですね。

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【お問い合わせ先】
株式会社シタテル
03-6303-2226
marketing@sitateru.com

企画・制作=繊研新聞社業務局

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