【入社後や今後の思いは?】「スライ」事業部 戸出淑水さん 作りたい服がたくさん

2025/12/22 05:29 更新


「スライ」事業部企画MDグループ 戸出淑水さん

 企業の成長や存続に欠かせない若手社員。キャリアは短いが、企業の取り組みや仕組みが人材育成にもなっている。モチベーションにつながる経験や、やりがいを促す仕事を任せ、社員が魅力を感じることも重要。期待の若手社員に入社後やこれからの思いを聞いた。

学生時代から一筋 販売経験生かしたい

 大学1年生からアルバイトとして「スライ」のルミネエスト新宿店で働き始めた戸出淑水さん。20年にバロックジャパンリミテッドの正社員となってからは店頭に立つ傍ら、ECや公式インスタグラムにも出演し、SNS発信を通じても売り上げに貢献してきた。今年8月に企画職に異動。アルバイト時代から9年間スライ一筋で新宿店に立ってきた経験を生かし、現在は物作りに励んでいる。

社員の人柄に魅力

 働き始めたきっかけは「雑誌で見た憧れのブランドだったから」。

 仕事を続けるうちに、一緒に働く先輩社員の人柄にも魅力を感じるようになっていったという。「ほめる時も、指導する時も、学生の自分に丁寧に向き合って育ててくれたことがうれしかった」と振り返る。

 新宿店は旗艦店のため、学生のアルバイトにも高い販売スキルが求められる。先輩からのアドバイスに耳を傾けながら、接客の技術を磨いていった。

 初めて対応するお客でも、どんなテイストや色を求めているのか、会話や行動から読み取るのが得意な戸出さん。「お客様に喜んでもらうのがやりがい」で、アルバイト時代から1日の販売点数が突出する日も多かったという。

次のステップに挑戦

 20年4月に入社。学生時代から自身のスタイリングをインスタグラムで発信していたことも評価され、入社と同時に、目標としていたECやSNS用の撮影に携わる「ビジュアルスタッフ」に抜擢(ばってき)された。

 正社員になってからは、「個人の売り上げだけではなく、店のチームワークやみんなで売り上げを取る雰囲気作りをさらに意識するようになった」と話す。

 店頭に立ちながらノベルティー企画などを任される機会も増えた。物作りへの関心が高まったこともあり、「次のステップに挑戦したい」と思うようになったという。自ら手を挙げ、25年8月に企画職に異動した。

 企画チームは7、8名で、ベテランは月に約20型を担当する。戸出さんは、6、7型を受け持っている。「まだまだ勉強中だが、物作りの工程を学ぶことで、ブランドへの愛着がさらに深まっている」

 スライの魅力は「フェミニンやカジュアルなど色んな系統のアイテムがあり、組み合わせ方で個性を出せるところ」だと語る。顧客のニーズや現場の声をよく知っているからこそ「喜んでもらえそうなアイテムが分かるし、作りたい商品がたくさんある」と意気込む。

 店頭からの異動のため、物作りは一から学ぶ点も多い。「一人前のデザイナーになること」が当面の目標だ。

(繊研新聞本紙25年12月22日付)

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