【入社後や今後の思いは?】田原屋商品部 坂田向日葵さん 人と関わる仕事に魅力

2025/12/22 05:30 更新


田原屋商品部靴下グループアシスタントバイヤー 坂田向日葵さん

 企業の成長や存続に欠かせない若手社員。キャリアは短いが、企業の取り組みや仕組みが人材育成にもなっている。モチベーションにつながる経験や、やりがいを促す仕事を任せ、社員が魅力を感じることも重要。期待の若手社員に入社後やこれからの思いを聞いた。

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予算達成やPB作りに意欲

 19年新卒入社の田原屋商品部靴下グループアシスタントバイヤーの坂田向日葵さん。23年に現職に配属されたが、「奥が深く、2年経ってもベテラン先輩バイヤーの足元も見えてこない」と、日々仕事に磨きをかけている。人見知りせずに色々な人とコミュニケーションが取れる強みを生かし、予算達成や担当PBの物作りをモチベーションに、ポジティブな性格で突き進んでいる。

社風が合っている

 坂田さんは服が好きだった一方で、接客業など人と関わる仕事に関心があった。学生時代は飲食など接客系のアルバイトをしており、ホテルやテーマパークなどにも興味があった。

 アパレルでは川上から川下の企業へ幅広く就活。田原屋の決め手は、接客や人と関われる店舗があったことはもちろん、早くからキャリアアップしている先輩社員、営業でも大きな予算を任されている人もいて、「憧れとやりがいを感じ、大きな金額を動かせるのは魅力」に感じたからだ。

 また、「若い社員は失敗してもいいから行動し、新しい風を吹かせるのが仕事」との社風も坂田さんには合っていたという。先輩社員のバックアップもあり、「ありがたい環境で、やりたいことが言いやすい」と感じている。

 坂田さんはバイヤー志望で総合職入社。まずは店舗に配属され、店長職を経て、入社2年目で本部異動と、早いジョブローテーションも魅力だった。本部では、レディストップの在庫管理などディストリビューターを経て、現在のレディス、メンズ、キッズの靴下全般とPB商品を主に担当している。部署のベテラン先輩の斎藤宏美さんがバイヤーとしての目標。素材や物作りに精通しており、「同じことをやっていては駄目。人より早く新しいことが出来るかが勝負」との思いで取り組む姿を見ながら学んでいる。バイヤーの年数を重ね、PB商品のヒット率は上がってきたが、誇れるような実績はまだまだと笑う。

レースや付属使い、カラー展開など工夫を凝らしてヒットを狙うPB商品

ワクワク感を大事に

 今秋オープンした住吉リブ・シーア店(神戸市)の靴下売り場の新しい見せ方を任された。什器の高さやトルソーの位置、PBをどう見せていくかなど、「初めての経験で、自分のスキルアップにもなり楽しかった」という。

 新たな取り組みでは、POP(店頭広告)のイラストレーターやインフルエンサーを起用した情報発信などに挑戦。PBでは、卸価格をしっかり把握し利益がでる価格設定や素材使いなどで売れ筋を作ることに注力。靴下部門では一番年下だが、それぞれが大きな予算を持っている。プレッシャーもあるが、達成に向けたワクワク感がモチベーションにもなっている。「バイヤーとして独り立ちし、PBの知名度をもっと上げる」ことが、当面の目標だ。

(繊研新聞本紙25年12月22日付)

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