店舗スタッフの年齢は一緒ではありません。「年上、年下のスタッフに他の店長さんは伝え方を変えているのか」「世代がばらばらで若いスタッフとベテランのギャップはどう埋めているのか」など、コミュニケーションのとり方に悩む店長さんは増えています。
年の違うスタッフにどのように接すると店舗運営が上手くいくのか。店長さんにコツや工夫を聞きました。
“相談や依頼”で距離は縮まる
「カクタスセポ」京都ザ・キューブ店
木下眞衣店長
木下さんは、年上だけでなく年下のスタッフに対しても、「依頼や相談が自然にできる関係作りを重視している」と振り返る。15年春に店長に就任し、現在27歳。売り場には店長経験者で職場に復帰した女性からアルバイトまで、上下に10歳以上年の開いたスタッフが働いている。
年上のスタッフには、仕事では店長である自分の方が立場は上だけど、人生経験は相手の方が先輩。まずこうした事実を忘れないように接しています。そのうえで、経験豊富な方なので、頼れる部分は気負わずに頼る。例えば、売り上げを伸ばしたい時、店頭をどうすべきがなどについて相談します。後輩に笑顔で『教えて下さい』と頼まれれば、嫌な顔はされません。
仕事以外にも、子育てについての話題を振ったり、自らの話題も持ちかけるなどのやりとりを欠かしません。普段のコミュニケーションをきちんと取ることが、仕事の場面でもプラスに働くからです。
年下のスタッフに相談する場面も意識的に設けています。若い人の声を参考にするだけでなく、自分の頭の中でわかっている(決まっている)物事でも、あえて聞いてみる。互いの距離感を縮めることができたり、仕事に対する意識を高めることにつながっています。
店長として注意する際はなるべく丁寧に、「なぜなのか」「どう改善していくのか」などを具体的に聞く。注意するからには、自分もきちんとそれが出来ていなければダメ。仕事ぶりや態度で尊敬してもらえるように、どんな仕事に対しても絶対に手を抜かないことを強く心掛けています。
(繊研新聞 2016/10/24掲載記事を再編集)