ストリートスタイルに勢い、ロンドン

2015/06/16 09:06 更新


【ロンドン=小笠原拓郎、若月美奈】16年春夏メンズコレクションのトップを切って、ロンドンが幕を開けた。いまやすっかりメンズコレクションサーキットの一角へと成長したロンドン。春夏はヒップホップやスケーターを背景にしたストリートスタイルに勢いがある。ロンドン・メンズの成功を目の当たりにして、今シーズンはニューヨークもメンズ単体でのコレクションを予定している。これがどうなるのかも注目される。

 シブリングはマッチョでファニーなカレッジフットボールスタイルを見せた。作り込んだニットのクオリティーの高さは、折り紙付き。その技術を生かして、楽しいアメフトスタイルに仕上げた。ファーストルックはシブリングには珍しいジャケットスタイル。スクエアショルダーのジャケットやスーツが、男っぽさを強調する。

 それがニットで作るアメフトスタイルになると、単純なマッチョ思想を笑い飛ばすようなユーモアが加えられていく。スパンコールのタンクトップの屈強なモデルは、チアリーダーの持つポンポンを手にして歩いてくる。パンツはフロントを二重にしたような仕様で、股間にはアメフトユニフォームのレースアップディテールが飾られる。

 ニットのセットアップはフロントから見るとマッチョなアメフトスタイルだが、後ろから見るとヒップの上にスラッシュが入ってお尻の割れ目がくっきり見える。真面目に作り込んだニットのクオリティーと、マッチョ思想を小馬鹿にしたようなセンスの良さがさえる。

 コーチのショー会場には、ウッディーなスケートボードパークが作られている。登場したのは60年代のウエストコーストのサイケデリックと90年代のヒップホップカルチャーをミックスしたスタイルだ。ベースとなるのは、コーチらしいユーティリティーアイテム。そこにサイケデリックな色のアブストラクト柄やアニマル柄が加えられる。

 足元はバンズのようなスニーカーのほか、アッパーにシアリングを使ったサンダル。パッチワークのレザージャケットにパッチワークのセーターもある。パーカにバイカージャケットを解体してアップリケしたデザインは、どこか「サカイ」を思い出させる。

マッチョでファニーなアメフトルック(シブリング)
マッチョでファニーなアメフトルック(シブリング)
コーチ
コーチ

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