ハイテク満載! Rミンコフの直営店(杉本佳子)

2014/12/01 00:00 更新


このほどオープンした、ニューヨークのデザイナーブランド、レベッカミンコフのソーホーの直営店が、新しいテクノロジーを導入したなかなか楽しい店になっている。



場所は、96 Greene Street


店に入ってまず目につくのは、右側の壁面につけられた大きな鏡のようなタッチパネル。
なんと、そこでコーヒーなどの飲み物をオーダーできるのだ! 携帯の番号を入力しておくと、「用意ができました」というメッセージが送られてきて、店の奥から注文した飲み物が運ばれてくる仕組み。店の奥にゆったり座れるソファーがあり、もちろんそこで座って飲むこともできる。



入り口を入った右手に大きなタッチパネルがある。3人のお客さんが同時にそれぞれ使うことができる


ランウェーのビデオを見たり、ルックブックの商品を見てタッチパネル上でオーダーすることも可能。試着してみたいと思ったら、試着室へ送る指示を出す。すると、その指示が販売員の携帯するiPadに送られ、試着室に着く頃には選んだ服が揃えられているというわけだ。
試着室に商品を持ち込むと、試着室の壁に設置されたタッチパネルにその商品情報が現れる。商品イメージをタッチすると、素材などの詳細やコーディネイトに向く商品を確認することもできる。



試着室にジャケットを持ち込むと、その瞬間に壁のタッチパネルに商品を


異なるサイズがあるかどうかチェックしたい場合、在庫がなければそのサイズの上にバッテンの表示が出てくる。いずれは、同じ商品を着た他のお客さんの写真を並べて参考にできるようにすることも計画しているという。
各商品のバーコードを感知するのは、試着室の上に取り付けられたこの黒枠だ。


 

試着室の上に取り付けられたセンサー


試着室の照明を変えてみることもできる。「ブルックリンの朝」「ハイラインの午後」「ハドソン川の夕焼け」「暗くなってからのソーホー」と、ちょっとウイットの効いたネーミングがつけられているのが楽しい。
 


試着室の楽しい照明設定。


 「リメンバー・ビジット」をタッチし、携帯の番号を入力すると、何を試着したかの記録を自分の携帯に残しておくことができる。レベッカミンコフのアプリを使うと、店・オンライン問わず、過去に買ったものがすべて記録されるという。



販売員を呼ぶこともできるし、普通の鏡として使うこともできる


店にいるときには買わず、店を出てから「あ~、やっぱりあれ買おう!」と思ったら、試着した服の情報を引っ張り出してきて、ペイパルで買うこともできる。「えっ、ペイパル?」と思った方もいるのではないだろうか。そう、このシステム、イーベイが開発したのである。
「えっ、イーベイってオンラインオークションの会社でしょ?」と思った方もいるのでは? そ・れ・が! イーベイは1年半前にテクノロジーを開発する部門を社内に設けたのだ。
イーベイ社のリテールイノベーションのヘッドであるヒーリー・サイファーさんによる説明も是非ご覧ください。


サイファーさんによると、このシステムを導入したのはレベッカミンコフが初めてとのこと。12月上旬にオープンする予定のサンフランシスコ店、来春オープン予定のロサンゼルス店も同様の店になるという。
こちらがデザイナーのレベッカ・ミンコフさん。元々テクノロジーに関心の高いとのことで、将来また新たな発想で何か出てくるかも?

 

デザイナーのレベッカ・ミンコフさん。バッグで起業し、数年前からアパレルも始め、毎シーズン、ニューヨークコレクションでランウェーショーをしている
 
 ☆☆☆
 

レベッカミンコフは元々バッグのブランドとしてスタートしただけに、店内はバッグにかなりのスペースを割いている。今でも売り上げの70%はバッグだそうだ。


 

服はこんな風に、ちょっとトムボーイっぽい要素のあるコンテンポラリーライン。



ボーイッシュな要素を入れたファッションが持ち味


スタッズが多く使われていることを反映して、一部の壁にスタッズ風の凹凸をつけている。




89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ



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