ショップで働く学生や主婦のアルバイト、パートは店に欠かせない貴重な戦力。学校や家庭生活などが本業の彼らに、店で働く時にも本気を出してもらうには工夫が要ります。いかにしてモチベーションを高め、働きやすい環境を作っているのか、コツを聞きました。店長の深い~ぃコトバ付きです!
「アルバイトだから、というのは、お客様には関係ないこと。長時間立ちっぱなしの仕事を続けるには、社員と同じように高いモチベーションを持っていてほしい」
パル「フーズフーチコ」新宿ミロード店 森香緒里店長
実践しているコツ
●近い立場のほうが素直に受け止められるため、アルバイト同士で指導し合わせる
●アルバイトと一緒に他店に買い物に行って、生の接客から良い悪いを体感させ、マニュアルでない接客を考えてもらう
若い女性を対象とする同店は、社員が5人、アルバイトの5人は全員学生です。 学生に対しても、「失敗はしてほしくないんです」。絶対に仕事でミスをするな、という意味ではありません。「すっきり商品が見やすく可愛いのがフーズフーチコ」。そのイメージを抱くお客の気持ちを裏切ることが「失敗」ということ。憧れられる存在でいてほしい。だからスタッフ個人のインスタグラムに載せる写真一つにも気を配るよう伝えています。
「失敗」を防ぐ方法の一つとして、早番の日にアルバイトや社員スタッフと一緒に他店へ買い物に行くことがあるといいます。服に詳しい分、私生活では接客されたがらないスタッフもいますが、「他店で自分が嫌な接客、うれしい接客を体験してもらうため。知らないと失敗してしまう」。こうした経験が、マニュアル接客ではなく「自分はこうしてみよう」という工夫とモチベーションに繋がっています。
森さん自身も、大学4年生からアルバイトで働き、3年後に社員になりました。近い立場の方が意見を受け入れやすいと考え、アルバイト同士で指導し合わせることもあります。
現在大学4年生で就職活動中のアルバイトスタッフは「お金が欲しいだけならハードな仕事かも。でも、私はほかの何かを得たいと思うし、一人の顧客と長く付き合えるファッションの接客に学ぶことは多い」と話します。
森さんも、この店での経験が、彼女この店での経験が、彼女たちが社会に出た後の糧にもなるよう願って共に奮闘しています。
(繊研新聞2016/04/25日付記事を再編集)