石川俊介が手掛けるユニセックスの「テクスト」は20~21年秋冬で、アルパカの天然色を生かし、きりりと都会的なワードローブを揃えた。19年秋冬にスタートし、世界の生産地に足を運んで質の高い原料を仕入れて物作りする中、アンデス山脈で育てられたアルパカの原毛を、日本の機屋と協業して表情豊かなテキスタイルへと発展させている。
アルパカの原毛は、ペルー南部の標高が4000メートルを超える高山地帯で農場を営む小規模農家から直接仕入れている。「生産者の生活を支えられるよう、毎年、一定の規模を継続的に仕入れるビジネスモデルを作っていきたい」と石川。2シーズン目の今秋冬は、組織や色柄のバリエーションを広げた。ブラックアルパカの原毛を潤沢に仕入れられる環境も整い、天然の色でクラシックなムードを強めに出したコレクションが可能となった。
心地良さを感じさせるのは、天然の白、ベージュ、茶、黒の4色を交えたガンクラブチェック柄のツイード。すっきりとした風合いがモダンに映り、柔らかな色味で女性にも使いやすい印象だ。ステンカラーコート(10万円)やブルゾン、ケープなどを揃えた。
また、ションヘル織機で織り上げたブランケット風の生地は、優しさを感じさせるベージュ、色の深みがエレガンスを際立たせる黒と、原毛の色によって異なる魅力が出る。手撚りでフリンジを作ったケープやストールのほか、ドレープが美しいブルゾン(7万8000円)も作った。
カジュアルな印象のアイテムもある。ブラックアルパカを使ったフリースのカーディガンは、裏がオーガニックコットンのダブルフェイスで肌触り良く仕上げている。