日中韓繊維産業会議、下村会長語る

2015/11/06 18:18 更新


 日本繊維産業連盟の下村彬一会長は「第5回日中韓繊維産業協力会議」の終了後に会見し「通商問題については、より一段と議論が進んだ」と語った。日中韓の首脳会談でFTA(自由貿易協定)交渉の加速が確認されたのと環太平洋パートナーシップ協定(TPP協定)が合意が「中韓の背中を押したようだ」と、民間ベースでの議論の進展を期待する。

 会議の冒頭に挨拶した中国紡織工業連合会の王天凱会長は「三カ国の繊維業界もこのチャンスを逃さずに交流を深め、協力してともに発展していくべきです」、韓国繊維産業連盟の成耆鶴会長は「今回の会議では域内貿易自由化や原産地規則などについて各国の意見を聴取して、より調和のとれた合理的な方案が組み上げられる機会になることを期待します」と、それぞれ語った。

 そして日本繊維産業連盟の下村彬一会長も「繊維産業があらゆる産業のフロントランナーであるということを意識し、高いレベルの内容に仕上げなければならない」との抱負を述べると同時に「日中韓がリードする形でアセアン、豪州、ニュージーランド、インドを含めた東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に好影響を与え、高いレベルの内容に推し進めていくべき」と語った。中国からは中韓FTAよりレベルの高いものしたいとの主旨の発言もあったという。

 会議は各国が繊維産業の現状を報告した後に、日中韓FTA(自由貿易協定)、繊維産業の環境の安全問題、アパレル・ファッション産業協力事業について意見交換と議論をした。新たに若手デザイナーの育成を目的にデジタルファッションアワードの創設が決まった。次回は16年11月に韓国で開かれる。



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