UAの新中期ビジョン GLR、コーエンを拡大

2017/05/10 06:29 更新


 ユナイテッドアローズは、今期(18年3月期)からの新たなグループ中期ビジョンを策定した。最終年度の20年3月期までの3年間、経常利益(連結ベース)の年平均8%成長を維持し、最終年度に売上高に占める経常利益率7%以上を目指す。達成に向け、ストア業態の中でも低~中価格帯の出店を増やすほか、ECも拡大する。

 増収減益となった17年3月期を受け、中期ビジョンでは経営基盤の基礎固めと収益の立て直しを最優先課題に据える。期中に不採算事業や店舗の見極めと撤退も行うため、売上高の定量目標は公表していないが、経常利益の成長目標で計算すると、17年3月期末比で16%程度の増収を目指す模様だ。

 トレンドに敏感な客層向けのファッション分野で大きな伸びが見込めないと見て、「ユナイテッドアローズ」(UA)、「ビューティ&ユース」(BY)は現状の規模(合計売上高700億円)を維持し、コアな顧客層の支持を高めるために商品レベルを今よりさらに上げる考え。

 一方、SPA(製造小売業)色が強く、価格帯もUA、BYより低い「グリーンレーベルリラクシング」(GLR、300億円)と子会社で運営する「コーエン」(100億円)は、今後も市場が拡大すると見て、出店を強化する。GLRはビジネス需要に特化した業態やレディス単独のストアでも店舗数を増やす。

 ECもさらに拡大する。「実店舗を利用する顧客からの認知や信頼をベースに当社のECは拡大してきた」(竹田光広社長)と見るが、今後もファッション販売におけるECのシェアは拡大するとの判断から、在庫の傾斜配分やSNS(交流サイト)を活用した販促強化、EC専用商品拡大も行う。現在、売上高に占めるEC比率は16%だが、7~10年後には25~30%に高める。

 中期ビジョン期間で経営基盤を固めた上で、生活雑貨や化粧品など商品分野の拡大、リペア、リユース事業、越境ECなどにも取り組むとしている。

ユナイテッドアローズの中期ビジョン



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