ユニー、シニアと働く女性に照準

2015/04/07 06:53 更新


 ユニーの衣料本部は、今期(16年2月期)、既存顧客の囲い込みと新規客獲得の二本柱を方針に掲げる。同社の15年2月期の衣料品売上高は999億7000万円(前期比6・9%減)と1000億円を割り込んだ。ピーク時の99年の業績と比べると約半分になっている。「これ以上落とせない。今期は1000億円を取り戻す」(彦坂慶太ユニー衣料本部本部長)ため、売り上げの拡大に力を入れる。

 前期苦戦した要因として、「客数の減少と新規顧客の開拓不足」などを挙げる。この間、テラスウォーク一宮やヴェルサウォーク西尾などを出店した。しかし、モールやテナントゾーンは好調だったものの、本体のGMS(総合小売業)は苦戦している。サーキット状にテナントを配したサーキットモールタイプにするなど、「新たな取り組みはしている」ものの、十分な結果を出せていないのが現状だ。

プロジェクト立ち上げ議論

 今期は、中心ターゲットとしてシニアと働く女性に改めて焦点を当てる。それを推進するため社内に、どういった商品や売り場を提供すれば、シニアや働く女性の来店頻度が向上するかを議論するため複数のプロジェクトを立ち上げた。プロジェクトは紳士、婦人など、それぞれの部から横断的に総勢10人前後のメンバーで構成、様々な視点から議論を進めている。議論した内容は15~16年秋冬の商品や売り場作りに生かしていく。

 例えば、シニア向け戦略について議論するプロジェクトでは、元気なシニアと高齢期に差しかかってきたシニアに分けて商品を構成するという方向性がみえてきた。商品では、「ファッション性がある服を前提にしながら、要介護者でも使えるようユニバーサルデザインも取り入れる」ことも考えている。低価格訴求PB、中価格帯PB、高価格帯NBといったように三つに分け、顧客が比較購買出来るようにする。また、シニアは代理購買が多いので、代理購買する人が買いやすい売り場作りも目指していく。

 働く女性に向けた商品開発をするプロジェクトでは、中心顧客を具体的にパートタイムで働く女性に設定した。ライフスタイルを想定した商品を打ち出していくため、社内で働いている女性100人以上に対してアンケートを取り、日ごろのライフスタイルについての分析を行っているところだ。

 また、買い回りがしやすいよう学生用の水着や制服などの扱いも増やす計画だ。地域の学生服専門店にコンセショナリー契約でユニーの衣料品売り場でショップ展開してもらえないかをアプローチしている。

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