婦人靴のフィッシュ「ベジ」、百貨店で伸ばす 鮮やかな色 環境配慮した物作り

2023/11/20 10:59 更新


トレンドを押さえたデザイン、カラフルな配色が売り場で目を引いている

 婦人靴卸・小売りのフィッシュ(東京、上原芳恵社長)が、婦人靴「VEGE」(ベジ)で百貨店ビジネスを伸ばしている。環境負荷を抑えた物作りを前提に、ファッションセンスの高いデザインを揃え、世代を問わず支持されている。

 婦人靴のOEM(相手先ブランドによる生産)で創業し、20年にサステイナブル(持続可能な)を意識したブランドとして始めた。海外の協力工場にある残革や残反、リサイクル素材を生かし、色鮮やかな野菜から得られるエネルギーを持った靴を作る。女性らしいシルエットのカッターシューズや変化のあるカットのサンダル、カラフルな配色のスニーカーなど、スタイリングのアクセントになる。1万円台後半~2万円台前半。

 当初はECを主販路にしていたが、百貨店の婦人靴売り場での催事販売を徐々に増やし、22年2月に渋谷スクランブルスクエアに常設売り場を開設。次いで、今年2月にそごう横浜店、8月に西武池袋本店に常設売り場を開設した。認知を高めるのはこれからだが、落ち着いた色味の靴が多い婦人靴売り場で、多彩なラインナップが来店客の目を引いている。価格帯が百貨店の利用客のニーズに見合い、履き心地を確認して即決する客も多い。特に、西武池袋本店は、月間売上高が300万~400万円で推移しているという。

 サステイナブルな供給の仕組みも特徴。1シーズンに扱う数は、60SKU(在庫最小管理単位)前後で、人気のモデルはシーズンを超えて継続販売する。生産足数を一定にし、「売り切れたら追加を繰り返し、廃棄を出来る限り出さないことを徹底してきた」と上原社長は話す。売れ残った商品は最終的にECのアウトレットで販売し、「8シーズン続けて廃棄はゼロ」。

 今後も機会があれば、百貨店の出店を増やす。「ファッションを楽しむ女性の気持ちを上げていけるブランドでありたい」という。

関連キーワードサステイナブル



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事