《視点》普遍的な服

2020/07/14 06:23 更新


 「適時、適量」というキーワードを小売りでよく耳にするようになった。気候や需要に合った商品を、プロパーで売れる分だけ準備して無駄を出さないようにする考え方のこと。セレクトショップでは昨年から、頻繁に聞くようになった。

 この考え方を念頭においた企画では、シーズンをまたいで着られる服、もしくは年間着られる服が必要になる。夏の売り場では、幅広いジャージーのトップが主力だ。Tシャツのように気軽に扱えるが、ブラウスのように見えるカジュアルすぎないデザインがポイントになっている。秋の立ち上がりでは、多くの店がジャケットや一枚仕立てのコートなど軽いアウターに注力している。

 今後は、さらに長いスパンで着られる服が注目されそうだ。質が良くて、普遍的な服。テーラードジャケットやハイゲージのクルーネックセーターなどが挙げられる。通常のオリジナル商品よりも高額だが、長く大切に着られる服はシーズンを問わずに必要とされる。サステイナブル(持続可能)な考え方が広がるなか、タイムレスな商品を見直す流れが広がりそうだ。

(規)



この記事に関連する記事