《視点》求人がない

2020/09/03 06:23 更新


 娘が通う幼稚園の恒例行事でサマーキャンプがあった。例年は1泊2日だが、コロナ禍で日帰りに。しかも会場が幼稚園に変更となったが、何とか継続した。

 コンパクトになったが、予定表には朝から晩まで自主性や協調性を養う企画が充実。迎えに行った直後は甘えん坊に戻ったが、その後生き生きとした表情で感想を話す姿から、たった1日でたくましく成長したことが分かった。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、ファッションビジネス業界では、来春の新卒採用計画が大幅に変更された。多くの服飾系専門学校が「今年は求人がない(少ない)」と口を揃える。繊研新聞社が全国の服飾系専門学校生を対象に実施した「就職意識調査」では、就職活動が思い通りに進まず、不安や心配を抱える声が驚くほどあった。

 採用側の厳しい事情は分かるが、企業には採用活動の意義を再考してほしい。自社の魅力を伝える作業は、業界全体の魅力も引き上げる。採用・育成が継続してこそ、企業の柔軟な発想、業界の健全な未来も期待できる。継続しなければ他産業に良い人材は奪われる。〝伸びしろ〟があって育ち盛りの人材に、社会で活躍する機会をもっと与えてほしい。

(畔)



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