《視点》百聞は一見にしかず

2022/04/12 06:23 更新


 3月末に開催した当社主催のファッショントレンドセミナーで、2年半ぶりに観客の前でお話をさせていただいた。久々の有観客、ファッショントレンドや注目アイテムなど伝えるコンテンツは同じだが、心持ちが大きく違った。観客の顔を見ながら話すということは、気持ちを込めてその人に「伝える」作業になる。スタジオ収録とは全く違った。

 開催時間は3時間半。集中するには長すぎるが、その間の集中力もリアルならではだ。登壇者も聴講者も、とにかくセミナーに集中する。

 話す側は一回きりのセミナーでしっかり伝えたいから、頭をフル回転させる。項目ごとに切ることができ、間違えたら撮り直せる収録とは緊張感が違う。

 聞く側もそこで全部を吸収しようという意欲が強く、集中力が一層高まる。「ながら見」になりがちなアーカイブ配信との違いはそこにある。

 時間と場所を決めて、コトを行うのは大変なことだが、その意味は大きい。「記憶に残る発信をする」という本質的な意味がある。ファッションショーも同じ。伝えることが目的である以上、リアルの効力は絶大だ。百聞は一見にしかず。まさにその通りです。

(規)



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