先日、初めて福井に行った。福井について勉強したところ、「幸福度ランキング日本一」だと知った。2年に1度発表されるランキングで、全47都道府県の中で3回連続1位という。その理由は、雇用の安定や子供の健全な教育環境が挙げられる。実際、働く女性が多く、子供の学力は高い。仕事、教育、生活、文化、健康など、様々な点が整っていることを表している。
働く環境も大切だ。取材した眼鏡工場は、イタリア資本となり広い敷地に移転して新しくなった。天井高のある工場内は明るく、整頓されている。全てのエリアが空調管理されているので、工場内はもちろん、廊下や食堂も快適だ。広くてきれいな環境で働けば、仕事への意欲も湧く。働く人々の表情もどこか誇りに満ちていた。
良い仕事のために、良い環境を提供する。そうすることで、働く人は前向きになり、良いものが生まれ、満たされる。幸福度が高いとはこういうことなのだろう。ふと思い出したのは、伊ブルネロ・クチネリの工場がある小さな村のこと。職人たちが日常的に文化に触れられるように、音楽ホールなども作った。良い環境であれば、そこで働きたくなり、技術は継承される。日本にもそういう場所が増えてほしい。
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