《視点》江戸時代

2022/08/16 06:23 更新


 「江戸時代は最もサステイナブル(持続可能な)だったとも言われ、いろいろと参考になりそう」。先日取材した企業の社長が、SDGs(持続可能な開発目標)関連の取り組みを話す際に、触れた話題が気になった。

 同社は、江戸時代に生まれたとされる技法の裂き織りを活用した生地で、他ブランドと協業した靴を開発して販売していた。裂き織りとは、もともと使えなくなったきものなどをほどき、緯糸として織り込んで新たな織物にしたのが始まりとされる。鎖国をしていた江戸時代は、きものが擦り切れたら寝間着や布団、敷物、雑巾などにし、最後まで使い尽くしていた。東北地方をはじめとしたところでは、傷んだ布の補強や、防寒性を持たせるために刺し子も用いられており、庶民が布を大切に扱っていた。

 振り返れば、裂き織り、刺し子ともにこれまで取材したことのあるアパレルブランドが活用しているのを見たことがある。その中には、こうした技法を強みの一つとして生かし、海外に評価されて輸出実績のあるブランドも少なくない。

 すでにマーケットは、大量生産・販売を追いかけた時代からシフトチェンジが進んでいる。デジタルをはじめとした技術革新が進む一方、温故知新の視点も改めて重要だと思った。

(畔)



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