コロナ禍でデジタルツールの活用が浸透したが、やはり「ここぞ」という場面は、リアルが勝ると感じることが増えてきた。
先日もある企業を取材するため、過去の記事を調べていたら、自分が書いたにもかかわらず、誰に取材して文字にしたのか、はっきりと思い出せなかった。記事内容を見る限り、相手から話を聞かないと書けないものなのだが、どうにも記憶にない。半年前の記事だったので、その日のスケジュールを見返すと、「オンライン」とある。それでようやく思い出せた。
デジタルツールは物理的な距離と時間の問題を解消し、私たちの仕事・生活のしやすさを飛躍的に向上させた。私自身も、遠方にいる人への取材が容易になったと実感する。しかし、オンラインの場合は記憶に残りづらく、印象が薄くなりがちで、慣れるほどそうなりやすい。
ファッション商品の商談や販売も同様だ。実際にモノを見て、触ってもらい、対面での対話を通じてこそ、相手側(取引先・お客様)に伝わるはずだと思った。
(潤)