《視点》知らないでは済まされない

2022/12/06 06:23 更新


 四国の縫製企業に勤めていたベトナム人技能実習生が会見を開いた。報道によると、長時間の違法残業が行われており、未払い賃金は2700万円に上るという。その後、縫製企業は自己破産を申請。現在、NPO法人(特定非営利活動法人)日越ともいき支援会がクラウドファンディングで支援金を募っており、11月末段階で第1目標金額の600万円を超えた。

 今回のケースで珍しいのは、発注元のワコールホールディングスが救済支援を行うと発表したこと。ワコールの委託先が再委託した先の出来事だが「CSR調達ガイドラインに基づいて対応した」という。支援内容は、「今後話し合っていく」としている。

 一般的に、一昔前だと「委託先が勝手に行った」とし、発注元が支援することはなかったかもしれない。だが、サステイナブル(持続可能)な取引が求められる今は「知らない」では済まされない。

 さらに記者も含め、消費者が低価格を求め過ぎていないかも考える必要がある。原材料と人件費が高騰する今の状況下でこれまで同様の低価格品を求めることが、低単価発注につながり、それが物作りの現場の負担になっているように思う。

(森)



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