内閣府によると、20年の世界の総人口は77億9480万人で、60年には101億5147万人になると見込まれている。世界的に人口が増えるなか、先進国では65歳以上の人口比率が高まり高齢化が進む。とりわけわが国の高齢化率は他の先進国と比べても飛びぬけて高く、20年時点で28.6%と断トツだ。そして高齢化と並行して少子化が進行し、日本は人口減少の道をひた走っている。
コロナ禍までの経済の流れを振り返ると、わが国では多くが「より安く」を追求してきた。商品価格が安ければ、増収するには客数増を狙わないといけない。しかしこれからは時を追うごとに、国内だけでは客数増のハードルが高くなるのは必然だ。訪日外国人を頼りにする手段もあるが、コロナ禍で渡航が遮られた教訓もある。
石油価格高騰や円安など外的要因で価格を上げざるを得なくなっている今、価格より価値の競争が強まっていくだろう。買うべき価値を見る目は厳しくなっている。商品提供する側は、買われるべき理由を見つめ直す契機を与えられている。
(樹)