《視点》試される商品力

2023/05/23 06:23 更新


 5月に入り展示会場には、これまで以上にバイヤーの来展が増えて活況な様子だ。新型コロナの感染症法上の分類が「5類」に移行したこともあり、これまで東京展に来ることに比較的慎重だった東北や九州など遠方からの来展が増えているようだ。

 アパレル企業はコロナ下で、オンライン展示会やサンプル送付などのシステムを構築し、来展しなくても発注できる環境づくりが進んだ。そのため、来展しない発注方法を活用する一定の取引先は残るが、本来の「見て」「触って」「試着する」などを通じて、自信を持って客に提案することを重視するバイヤーは多いようだ。客の外出機会が増え、店頭の回復傾向も仕入れにより力を入れることを後押ししている。

 しかし、コロナ禍以前の購買動向に戻ってきているわけではない。原材料などの高騰による価格上昇や物価高などを受けた消費への慎重姿勢に加え、コロナ禍を経て、個性や本当に魅力のあるものや、必要な商品しか購買しない傾向がより強まっている。

 単にトレンドや人気商品ではなく、バイヤーはより吟味した仕入れが大事になっており、アパレル企業にはより個性や付加価値がある商品が求められている。市況回復への期待は高いが、各社の商品力や力量が問われることになる。

(伸)



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