「サステイナブル(持続可能な)に関する国際認証を取得することで海外からの引き合いが増えてきた」と言うのは丸三産業の開発本部本部長。同社は愛媛県大洲市に本社を置き、化粧綿や医療用脱脂綿の製造を得意とする。
同社が開発した純粋脱脂綿(コットン100%)をウォータージェットで特殊交絡したノーバインダーのガーゼ調不織布は、ウェットティッシュなどの生活雑貨や、コスメティックパフなどの化粧雑貨に用いられている。このニッチ領域におけるローカル企業が、サステイナブル認証の取得を契機に世界へ市場を広げているのだ。
同社はGOTSをはじめ、米綿の業界関係者で運営されるサステイナブルな綿作の基準となるプログラム「U.S.コットン・トラスト・プロトコル」(USCTP)などを取得することで、「特に欧州での引き合いが強い。それ以上に当社の企業名を諸外国に広く知ってもらい、諸外国からビジネスにつながるお声掛けを頂くようになった」と胸を張る。
日本の中小企業は、SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みに対して「メリットがわからない」「何をしていいかわからない」「コストがかかる」など、消極的な企業が少なくない。しかし、SDGsに向けて足を踏み出した企業は成果を出しつつある。
(民)