先日、物流のコンベイを取材した。配送時に使う段ボールなどを回収・焼却する際に生じる二酸化炭素の排出を抑え、環境課題の解決を目指す。同社の梱包(こんぽう)材は繰り返し利用可能な「シェアバッグ」。梱包作業の時間を従来より削減でき、物流現場の労働条件を改善する一助にもなりそうだ。
同社の梶田伸吾代表は今年で31歳。大手商社で物流事業を経験したのち、昨年コンベイを立ち上げた。サービスは今年4月に始め、早速、アダストリアの子会社で導入。業界で環境課題への取り組みが進むなか、今後、注目できる企業だ。
梅雨時期に手放せない傘。ネイチャーイノベーショングループのシェアリング傘サービス「アイカサ」は「30年までに使い捨て傘の廃棄ゼロ」を目標に首都圏の大手鉄道や三菱地所、東京建物など企業との連携を強化している。同社の丸川照司代表は20代だ。
記者は〝大谷世代〟で梶田代表や丸川代表と年が近い。社会・環境課題は突き詰めれば様々な矛盾や無理が生じるが、避けては通れない現実を自分なりに受け止め、行動に移している彼らに勇気をもらう。今、業界は大きく変わりつつある。大手小売りでもアパレルにとらわれない新規事業の確立が急がれているが、そこでも20~30代の若手の活躍が期待されている。彼ら彼女らの挑戦を追い、業界の未来をともにつくっていけたらと思う。
(麻)