日本通信販売協会の総会後の交流会でのこと。とある来賓があいさつの中で、「これは個人的なお願いなのですが」と、通販における高齢者トラブルの防止策を、事業者側でも考えて頂けないかと話し始めた。
一人暮らしの母親に少々認知症の症状が出ており、定期的に様子を見に帰っている。そのたびに見つけるのが、通販の未払いの請求書や督促状の束。どうやら、新聞、雑誌に掲載のある通販の品を電話で注文しては、支払いを忘れてしまうようだ。見回りに来た親族が、コンビニエンスストアなどでまとめて払っているとのこと。
似た事象はあちこちの家庭であるだろう。「注文したことが親族にも分かるとか、どこかでストップできるような仕組みができれば」と話していた。
紙で請求書が来るアナログスタイルなら、まだ事後対応もしやすい。しかし、これがECとなると、問題の発覚や対応が遅れたり、複雑化する可能性が高い。コロナ禍を経て、日常的にデジタルを使いこなすようになった団塊の世代は、間もなく80代にさしかかる。確かに早めに対策を打たないと、と思う。
(維)