後輩に語れる?“SPA”の正しい説明

2016/09/19 12:01 更新


「後輩に説明するための基本のき」では、尋ねられて答えに詰まらないように、ファッションビジネス業界の基礎知識を見てきました。

今回は少し応用編。尋ねられて、語ることができれば後輩から尊敬されるような英略語を集めてみました。

■SPAとは?

 1980年代に米国のカジュアル専門店チェーン、ギャップ(GAP)が自分たちを「スペシャリティー・ストア・リテーラー・オブ・プライベート・レーベル・アパレル」と言い出しました。その頭文字がSPAです。訳すと、独自のブランドを販売する衣料品専門店です。  

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最初に使いだしたのはあのギャップ(chrisdorney / Shutterstock.com)

 「製造小売業」とも言われるのは、小売業でありながら、販売する商品を自分たちで製造するからです。店の看板と同じブランドの商品だけが並び、タグにその会社が製造元として記載されていたらその店はSPAです。  

普通の衣料品小売店は、衣料品メーカーが作った商品を仕入れ、メーカーのブランドで販売します。場合によっては売れ残った商品を返品することもあります。SPAは自社ブランドを製造し、販売するのですから、売れ残っても返品できません。残らないように何が売れるのかを高い精度で予測したり、売れ行きの鈍い商品は修正したり、売れる店に転送したり、そんなシステムも必要です。

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物作りパートナーの存在が大切

 しかし一番大切なことは、競争力のある商品を作れることです。ただ、製造小売業とはいえ、自前の生産設備を持っていないSPAもたくさんあります。製造機能を外部に委託するのですから、どのようなパートナーとどう取り組むのかがSPA事業のポイントです。

日本の代表的なSPAは「ユニクロ」や「無印良品」「グローバルワーク」のアダストリアなど、世界ではギャップのほか「ザラ(ZARA)」を展開するスペインのインディテックスグループやスウェーデンの「H&M」などがよく知られています。  



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