あらためて、ウールのABC㊦

2017/10/22 04:30 更新


ウールの主な産毛国は、オーストラリアや中国、ニュージーランドです。昔と変わらず、年に1回毛刈り職人が一頭ずつ毛を刈り取ります。

おおむね1頭の羊の毛がスーツ1着分と考えて良いでしょう。刈り取り後の羊毛は、洗って不純物を除去してから、競売にかけられ、世界中の紡績業者などにわたっていきます。

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羊毛の表面は、人の髪の毛のようにスケールと呼ばれる鱗(うろこ)状になっており、この構造が水を弾き吸湿性を与えます(写真下)。また、繊維はコイル状に縮れており、これが空気を多く含みウール特有の暖かさを付与しているわけです。


一方、繊維表面がこすれると毛玉になったり、洗濯時に熱や圧力が掛かると、縮んだ毛が絡まってフェルト化する現象が起きます。

ただ、現在はスケールを除去したりして、家で手軽に洗えるウールも数多く製品化されています。

ウールが縮むのはなぜでしょう?
ウールは水分を含むと、普段は閉じている、たんぱく質でできたうろこ状の「スケール」の表面が開いていきます(下記イラスト参照)。この状態で、もんだり、こすったりして洗うと、からみあった繊維が元の状態に戻れず、縮んでしまうのです。






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