六本木ヒルズでユイマナカザト展 創造性と技術の進歩

2025/02/04 17:30 更新NEW!


FADEコレクション。2枚の写真を融合し、デジタル捺染技術で幻想的なプリント柄に仕上げた

 パリ・オートクチュールの世界で活動を続けるデザイナー、中里唯馬さんのクリエイションと物作りを紹介する展覧会「ユイマナカザト展―砂漠が語る宇宙と巨大ナマズの物語は衣服に宿るか」が2月3日、六本木ヒルズ森タワーの東京シティビューで始まった。

 前半のセクションでは24年春夏「UTAKATA」、24年秋冬「UNVEIL」のコレクションの一部やマテリアルを紹介。後半は、1月29日にパリで発表した25年春夏「FADE」の全ルックを展示し、環境負荷を抑えた物作りやテクノロジーの詳細を説明する。

 見どころの一つは、22年にパートナーシップを締結したセイコーエプソンの技術によるテキスタイルの進化だ。デジタル捺染技術は、これまでグラフィックデータをもとにグラデーションの色彩などを出していたが、中里さんが撮影した砂漠の写真と海の写真を重ね、AI(人工知能)による画像処理も行い、風化していくような幻想的なプリント柄を表現した。

 また、古着などから水をほどんど使わずに繊維化するドライファイバーテクノロジーを発展させ、不織布シートを加工した革小物を制作した。オートクチュールのショーで着用した帽子、スニーカー、ブーツを商品化し、会場内では販売も行う。2月16日まで。

ドライファイバーテクノロジーによる不織布シートを加工した革小物は、会場内で販売している

 東京シティビューでは同時に、中里さんがディレクションした衣装などを展示するイベント「天空を纏(まと)う」を開催している。

東京シティービューでは、中里さんがディレクションした衣装、蜷川実花さんが撮影した写真を展示するイベントも行っている


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