16~17年秋冬パリ・コレⅥ 

2016/03/11 03:00 更新


ボリューム生かした新バランス


 【パリ=小笠原拓郎、青木規子】16~17年秋冬パリ・コレクションに、新しいバランスのスタイリングが広がっている。クロップトのアウターにハイウエストのワイドパンツ、ドロップショルダーの量感のあるトップにはタイニーなボトムといった具合に、コントラストを際立たせたルックが新しい。クラシックやスポーツ、ミリタリーといった要素が盛り込まれている。

バレエとパンクにハンドクラフト/ヴァレンティノ

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 ヴァレンティノはバレエダンサーとパンクをキーワードにしながら、得意のハンドテクニックを生かしたエレガンスを見せた。ショーは黒のシリーズで幕を開ける。フェルトタッチのコートは切りっぱなしやエポーレットのディテール、プリーツドレスは小さなラインストーンを飾りカウルネックのゆるやかな襟元で優しいラインに仕上げる。

 レースを入れたフレアミニドレスはチュチュのようなイメージ。そこにメタルブレードをびっしりと刺繍してパンクの匂いをプラスする。黒のシリーズがヌーディーなピンクやペールカラーに変わると、そこからはいかにもヴァレンティノらしい細かなハンドテクニックがいっぱい。

 細かなレザーチップをはめ込んだドレスやチュールにビーズ刺繍をびっしりと飾ったドレス。刺繍やプリントのモチーフは小さな三角形が多い。イエローベルベットのドレスは、クチュールでも見せたベルベットを使っており、そのドレープ感や軽やかさは類を見ない。オオカミのファーを模してフォックスを細かくはぎ合わせたコート、オーガンディーにルースター(雄鶏)の羽根を巻きつけるように刺繍したドレスなど、圧巻のクオリティーによるファンタジックなライン。

 

 

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 ルイ・ヴィトンのショー会場には、巨大なクリスタルを模した円柱が何本も突き刺さっている。乱反射するミラーの光に包まれながら、スポーツとセンシュアルという対極にあるものをミックスした。キーアイテムは、クロップト丈のバイカーブルゾン。モータースポーツアイテム特有のラインが入ったブルゾンを、腰まで隠す細身のジレに重ね、少しだけフレアがかったクロップトパンツと組み合わせる。

 全身を3分割する新しいバランスを、さまざまなスタイリングで見せた。グラフィカルな線によるスポーティーな雰囲気や、レザーのハードな質感とコントラストを描くのは、スカーフ地のドレスやサテンのバイアススカート。強い印象のスタイルにフェミニンな要素をプラスする。

 スポーティーなニットドレスも、バイアスドレスに重ねることでエレガントなマーメードシルエットに変身する。終盤にはクラシカルなパフスリーブのクロップトトップやランジェリードレスといったセンシュアルなアイテムも加わる。フェミニンなアイテムだが、ハードなレザーグローブやブーツとの組み合わせであくまでも強いルックに仕上げた。

 

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 ミュウミュウはデニムとゴブラン織を軸にしたミックススタイル。デニムのジャケットはヨークをベルベットでパッチワークしたり胸元に動物柄のワッペンを飾ったり。そこにレースの量感を生かしたシャツをコーディネート。

 デニムのジャケットは袖口をまくってタブで留めるディテール、デニムスカートも裾をめくってタブで留めてアシンメトリーなフォルムを作る。ゴブラン織はマキシドレスやコートに使われる。しかし、その重厚な素材感もワッペンやアーガイルニットと組み合わせると軽やかに見えてくる。

 この二つの素材を軸にしながら、乗馬スタイルやオイルドクロスのコートなど、マスキュリンの要素を加えていく。オイルドクロスのコートの粗野なワークスタイルにファーのスリーブ飾りがコントラストとなる。プラダとは、また異なる角度のコラージュスタイルに仕上がった。

続きは繊研新聞で



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