17-18秋冬パリコレ、注目カラーは赤

2017/03/10 06:39 更新


 【パリ=小笠原拓郎、青木規子】17~18年秋冬パリ・コレクションは、色のインパクトが強い。最も注目されるのは赤。差し色として赤いシューズやバッグを取り入れるだけでなく、赤を基調にしたスタイリングも新鮮だ。青のカラーパレットはサックスブルーやブルーグレー、鮮やかなインクブルーなど。グリーンやオレンジ、イエローも多い。

 淡い色はパステルピンクやミントグリーン、レモンイエロー、ラベンダーなどが出ている。

 ルイ・ヴィトンはルーブル美術館のマルリーの中庭でコレクションを見せた。ニコラ・ジェスキエールらしいスポーティーなリアルスタイルの中に、メゾンのハンドクラフトの技術を散りばめた。レース、ファンシーヤーン、サテン、ジャカード、さまざまな素材を繊細に切り替えたり重ねたりすることでドレスやトップを彩る。ジャケットも伝統的なハウンドトゥース柄にジャージーやレザーをパーツで切り替えて作る。様々な柄のファーのピースをはぎ合わせたブルゾンやコートといったアイテムとともに、スポーティーなブルージャージーのセットアップが登場する。

 たくさんのパンツルックは、センタープリーツにステッチを入れたブーツカット、短めの丈でサイドゴアブーツと合わせる。キーワードとなったのは「ノマド」。都市とはるかかなたの地の融和、マスキュリンとフェミニンの融合といった概念を取り入れた。クラシックなアメリカンスポーツウェアとスラブ民族風のアクセントを利かせたコレクション。

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ルイ・ヴィトン
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ルイ・ヴィトン

 ミュウミュウの招待状はパープルのフェイクファーが貼り付けられている。ショー会場に到着すると、壁と階段、すべての座席がパープルのフェイクファーで被われている。ウーハーの利いたスピーカーから流れるヒップホップの音のコラージュとともに、大きな襟のフェイクファーコートにファーのキャスケットといったモデルが登場する。

 ニューヨークのマーク・ジェイコブスに続くヒップホップを背景にした演出。レトロなムードとボリュームのフォルムが楽しい。PVCのコートにも大きなフェイクファーの襟。

 その一方で、パッド入りのスポーティーなブルゾンにはリアルファーの襟を飾る。グラフィカルなボーダードレスやスパンコールのドレスはスクエアショルダーのきりりとしたフォルム。鳥や電話、猫のグラフィックプリントをのせたドレスやセットアップがレトロなムードを醸し出す。

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ミュウミュウ

 モンクレール・ガム・ルージュは赤いモミジを敷き詰めた会場で、キュートなハイキングルックを見せた。英国調のツイードやタータンチェックのセットアップが軸になる。薄いダウンを重ねたブルゾンやミニスカートに、大ぶりのリュックサック。ハイネックトップの首元にスカーフを巻き、シャツやカーディガン、ファーのジレを重ねていく。

 オーセンティックな柄には、小さな花刺繍で甘い雰囲気をプラス。ノルディック柄のセーターやジグザグ模様のセーターなど、冬らしい肉厚なアイテムも多い。

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モンクレール・ガム・ルージュ

 A.P.C.はブランド創設30周年を記念して、オフィスでショーを行った。「イヴェール87(87年冬)」と題して、ブランドの原点といえるアイテムに力を入れた。白やサックスブルーのシャツは、ベーシックからロング丈まで。デニムはビッグサイズのGジャンやコンビネゾンなど、シンプルでクリーンな服を改めて揃えた。

 トレンチコートにムートンやファーのジャケットを無造作に巻きつけるスタイリングも目立つ。ショーの冒頭にはデザイナーのジャン・トゥイトゥがファッションビジネスに携わり続けた40年間を振り返ってスピーチした。

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A.P.C.

 ノワール・ケイニノミヤは、こだわり続けたモノトーンに加えて、初めて赤を使ってその印象を強めた。赤いフェイクファーのパーツをメタルリングでつないだジャケットに、メタリックレッドのケープ。これにより黒がより際立つ。黒で描くさまざまな手法で作った花も多い。

 身頃を花で埋めつくしたようなチュールのブルゾンは、背中に大輪の花が咲く。いばら状のレザーテープを組んだブルゾンには、繊細なバラのコサージュを飾った。レースとベルベットの切り替えやチュールにレパードの柄をのせるなど、豊富なアイデアが頼もしい。

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ノワール・ケイニノミヤ

 ポール&ジョーがクールだ。ローゲージニットやワイドパンツを軸にしたルーズなスタイルが、大人っぽいルックに仕上がっている。ポイントは縦長のライン。太いコーデュロイのセットアップはグリーンのワンカラーコーディネート、ゆったりとしたセーターとパンツの組み合わせは、どこかパンキッシュでカッコいい。ロングドレスに、ロング丈のパーカや膝丈のダウンコートといった重心の低いスタイリングも今っぽい。

Paul Joe Paris Womenswear Fall Winter 2017 Paris March 2017
ポール&ジョー

 カラーは、公開シューティング形式のプレゼンテーションを見せた。スポーツやクラシック、メンズテイストなどが混在するルックは、さまざまな素材や色柄を盛り込んだミックススタイルだ。レトロなスカーフ柄のボウブラウスに、異素材をはぎ合わせたミニスカート。ウールのコートは大小のファーパーツでコラージュする。凝った素材にパッチワークやフリル飾り。たくさんの要素に少々視点が散らばるのが惜しい。

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カラー

 小野瀬慶子がデザインするシクラスは、パリ2シーズン目。今回は落ち着いた雰囲気のフロアショー形式で、上品で優雅な服の魅力を伝えた。すっきりとしたラインを描くボリュームコートは、ライトグレーやココアのワントーンスタイル。

 シンプルなデザインの中で、ベビーアルパカやカシミヤブークレといった柔らかな質感が映える。スキーパンツにスリッパサンダル、ドロップショルダーのチュニックトップが、リラックスした感じをプラスする。

Cyclas Ready To Wear Collection Fall Winter 2017 Fashion Show in Paris
シクラス

(写真=大原広和)



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