消費不振が色濃く、世界情勢は不安定。こうした暗いムードを吹き飛ばすためにも、17年はこれまで以上に女性が生き生きと活躍する社会が望まれている。ファッションでも、女性を応援し輝かせるような役割がより重要になる。おしゃれだけどストレスが無く、着るだけで明るい気分になれる服、昨日までとは少し違う自分を感じられる服、17年はそういった商品がますます求められるようになりそうだ。
例えば、20代後半~30代のレディス市場では、「ウォッシャブル」「動きやすい」といったキーワードが従来以上に売り上げを大きく左右するようになっている。
ここ数年、レディス商品に機能素材が使われる傾向はあったが、それがさらに発展し、デザインは凝っているけれど汚れたらすぐ洗える、きちんとした見た目であってもストレッチが利いていて疲れないなど、ファッション性との両立がますます進む傾向だ。
かつては「おしゃれは我慢」と言われたこともあったが、現代のアクティブな女性には、働く時も家事や育児にいそしむ時も、もっと自由におしゃれを楽しめる服が必要だ。
今春夏は、ピンクやイエローをはじめ、楽しく元気になるような色柄がトレンドになっている。店頭にも明るいカラーのニットやパンツが並び、徐々にだが売れ始めた店もある。
「脱ノームコア」は昨年からささやかれていたが、なかなか浸透していなかった。しかし、今年はいよいよ、それがリアルクローズの市場にまで広がってくると言われている。ファッションの原点に返る時が来た。