アダストリア 単一健康保険組合を発足 従業員の安心安全守る

2021/11/01 06:30 更新有料会員限定


従業員の特性によって「まだまだできることはある」と福田会長

 ファッション業界を魅力あるものにし、働き手をどう維持するかが重要――アダストリアは10月末、単一健康保険組合(単一健保)「アダストリア健康保険組合」の認可を厚生労働省から得た。11月1日から独自の保険や福利厚生事業を段階的に始める。企業理念「なくてはならぬ人となれ、なくてはならぬ企業であれ」の実現へ、グループ社員と家族の健康増進や疾病予防を拡充する。従業員の安心安全を守り、長く働ける環境を整備し、最終的に9000人の加盟を想定する。

(関麻生衣)

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 02年から「東京ニットファッション健康保険組合」(KF健保)に加盟していたが、同社の実態がKF健保の事業内容に合わなくなっていた。同社は女性が約80%を占めるが「出産育児一時金」が他の健保と比べて少なかったほか、健診機関が地方まで網羅されていないために従業員全体の健康診断の受診率は50%を下回っていた。

健康経営を推進

 「それぞれ従業員の特性があり、時代の変化とともに(保険事業や福利厚生も)変わらないといけない」と福田三千男会長は話す。単一健保の設立によって、従業員の労働や生活実態に合った施策ができるようになる。今後は「質が問われる」とし、「従業員の意思をどこまで吸い上げられるか」が求められる。保険料率は年間数千~数万円減り、従業員の負担が軽減され、サービスも向上するという。

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