《私のビジネス日記帳》ネット販売と共存できる挑戦を マーキーズ代表取締役 廣畑正行

2025/09/17 06:25 更新NEW!


 店舗は全国に80を超えるまでになりました。店舗数が増えても、創業以来変わらず大切にしてきたのは、「お客様が良い商品と出会えることにワクワクする」売り場作りです。子供服は子供が着るものですが、それを選び購入するのは大人です。だからこそ、親御さんの期待や楽しみに応える店でありたいと思っています。着せたいデザイン、安心できる素材、価格と品質のバランス。全てを妥協せず、店舗というリアルな場でご提案し続けてきました。

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 この考えが大きく問われたのがコロナ禍でした。多くの企業が店舗の閉鎖や撤退を余儀なくされ、私たちも例外ではありませんでした。スタッフの不安や収益減少など数々の難題が重なりました。それでも私たちは、全店舗の営業継続を決断しました。なぜなら、私たちのお店に来て下さるお客様は単なるついで買いではなく、良い商品を求めて目的をもって足を運んでくださる方が多かったからです。実際「ネットではなく、やっぱり実物を見て買いたい」といった声がやむことはありませんでした。

 リアル店舗には、目で見て触って相談できるという大きな価値があります。そして何より、接客や空間そのものがブランド体験の一部になります。だからこそ、私たちは人と場所でしか伝えられない価値をこれからも守っていきたいのです。今後、どんなにオンラインが進化しても「やっぱりこの店が好き」と思っていただけるリアルな場を大切にしていきたいと考えています。お客様の期待を超える商品と体験を届けられるよう、次の時代に向けてネット販売と共存できる挑戦を続けていきます。

(マーキーズ代表取締役 廣畑正行)

 「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。

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