「CFCL」の高橋悠介とは、彼が「イッセイミヤケ」のメンズのデザイナーだったころに出会った。独立して立ち上げたCFCLは、ニットだけというブランディングとサステイナブル(持続可能な)を意識した物作りで評判だ。しかし本人は「うちはサステイナブルブランドじゃない」と話す。会社の在り方や社会とのつながり方を改めて聞いた。
(小笠原拓郎)
小笠原 前の会社を辞める段階で、CFCLのコンセプトは決めていましたか。
高橋 もともと文化ファッション大学院大学でコンピューターニットを勉強していました。コンピューターニットはゼロから組み立てられてプログラムしてボタン押したら出来上がってくる。それが画期的で面白いと思いました。いつか自分のブランドをコンピューターニットでとは思っていました。ここ数年でカジュアル化がより一層進んだことで、ニットで品があり、オケージョンに対応できるものという市場がある感覚もありました。だからこのタイミングでちょうど良かったのではないかなと思います。
テスラモーターズの時価総額がトヨタを抜きましたが、あれって「電気自動車しかやらない」ビジョンがクリアなんです。トヨタもフォルクスワーゲンも、電気自動車を開発していますけどディーゼル車もガソリン車もある。CFCLはスタイルのブランドというより、プロダクトを作るブランドというイメージです。ニットのジャケットにニットのTシャツにニットのパンツ、スタイルとしてちょっと重くなる心配はありました。でも、そこで軽さを出すためにシフォンの生地で作ると他ブランドと一緒のゾーンになる。ニットに絞ることでブランドの価値、存在を明確にするつもりでした。
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