【パリ=松井孝予通信員】仏シャネル(非上場)の25年12月期決算は、小幅ながら増収へ転じた。中国市場の減速や米国関税引き上げなどラグジュアリー市場を取り巻く環境が厳しさを増す中、積極投資とクリエイション刷新を背景に市場での存在感を維持した。
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売上高は前期比1.8%増の193億ドル、営業利益は5.2%増の47億ドル。一方、純利益は投資負担などを背景に14.3%減の29億ドルだった。地域別では欧州が6.7%増、アメリカが6.4%増と堅調に伸びた。主力のアジア太平洋地域は0.6%減だったが、前年の大幅減から改善した。
ファッション部門ではプレタポルテと新しいバッグ「シャネル25」が成長を支えた。ビューティー部門も8年ぶりの新作フレグランスなどが寄与した。
次の成長ドライバーとして市場で注目を集めているのが、アーティスティックディレクターのマチュー・ブレイジー氏だ。現地紙によると、同氏による初のコレクションの投入後、パリの店舗や百貨店ギャラリー・ラファイエット本店では行列も見られ、SNS上では「ブレイジーマニア」とも呼ばれる現象が起きている。
同社は年内に約30店を新設を予定している。25年の投資額は約12億ユーロで、現地紙によると、皮革製品や宝飾・時計のアトリエへの投資に加え、販促費も20億ユーロ超を維持した。ラグジュアリー市場の成長鈍化が続く中でも、シャネルはクリエイションと店舗戦略を通じ、攻勢を維持する姿勢だ。