大丸松坂屋百貨店は11月27日、都内で取引先説明会を開き、取引先240社、350人が出席した。百貨店の目指す姿や今後の方向性について、J・フロントリテイリングの小野圭一社長は「共創価値の創造に向けて取引先と仕掛けていきたい」と強調。サステイナビリティーと企業・事業戦略の一体化でCSV(共通価値の創造)の実現を目指す。
大丸松坂屋百貨店の宗森耕二社長は「我々の強みの一つは全国の主要都市に15店を展開しており、それぞれの店舗が独自の個性を持ち、その地域、お客様と深くつながっていること」と大丸、松坂屋の地域に根差した多様性を強調した。
一例として、博多大丸での九州探検隊プロジェクトによる「久留米絣大博覧会」を紹介した。単に伝統工芸品を販売するだけでなく、販促など百貨店でなければできない催事として認知されるようになった。「私も久留米絣を着て参加するが、お客様にも自分の久留米絣を着て来店しもらうようにしたい」と天神エリアを巻き込んで地域共創につなげる。各店舗で「取引先と一緒に協業して地域の価値を共創していきたい」と話した。
気候変動への対応をサステイナビリティ―経営の重要課題とし、50年に温室効果ガス排出量ゼロを目指す。温室効果ガス排出量削減とサーキュラーエコノミー(循環型経済)の推進が柱となる。新環境データ算定システムを活用し、取引先との連携を強める。
