ファッション業界の透明性を求める世界的なキャンペーン「ファッションレボリューション」の日本支部、ファッションレボリューションジャパンは、『ファッション・トランスペアレンシー・インデックス』の20年版の日本語翻訳版を発表した。ファッション・トランスペアレンシー・インデックスは世界のファッションブランドと小売りを対象に、社会的・環境的な方針と実践、その影響についての情報をどの程度開示しているかを調査し、ランク付けしたもの。15年から発行しているが、日本語版が公開されるのは初めて。
日本からも6社
20年の調査対象ブランド・小売りは250。全世界の年商4億ドル以上のブランド・小売りを対象に、ハイストリート、ラグジュアリー、スポーツウェア、アクセサリー、シューズなどの代表的な企業を選定して調査した。日本企業では、アシックス、イトーヨーカ堂、無印良品、ミズノ、ユナイテッドアローズ、ユニクロが対象となった。
ランク付けは、「社会・環境ポリシーと公約」「ガバナンス」「サプライチェーンの履歴管理」「情報の把握、表示、修正」「労働条件や衣服ロス対策、原材料調達、気候変動対策など重点課題」の五つのセクションに分けて数値化した。
この調査の目的は、主流ファッションブランドによる社会と環境に関連する情報について、一般への理解を促し、より広い情報の開示を企業に求めること、そして、必要な場合は、企業に説明責任を要求する際に利用してもらうこととしている。企業のエシカル度を表すものではなく、あくまでもブランド側が公開している情報を元に社会的・環境的な方針と実践、そしてその影響についての情報をどの程度開示しているかを元にランク付けしている。
最高点はH&M
調査結果のスコアは、合計250点を「%化」して表している。250ブランドの平均スコアは23%で、19年(対象は200ブランド・小売り)より2ポイント上昇した。最高点はH&Mの73%。C&Aが70%、アディダスとリーボックが69%、エスプリが64%で続いた。ラグジュアリー部門の最高点はグッチの48%。日本ブランドは、アシックス46%、ユニクロ40%、ミズノ27%、イトーヨーカ堂21%、無印良品10%、ユナイテッドアローズ7%だった。
54%のブランドの得点は20%以下だったが、19年と比較すると低い得点のブランドは減少した。
サプライヤーリストの公開が進んでいることも分かった。250ブランドのうち40%(101ブランド)は自社の製造元を公開している。19年より5ポイント増加した。24%(60ブランド)は自社の設備や工場を公開(19年比5ポイント増加)、7%(18ブランド)は一部の原材料サプライヤーを公開している(2ポイント増加)。
ファッション・トランスペアレンシー・インデックス日本語版は、https://issuu.com/fashionrevolution/docs/___ver_fr_fashiontransparencyindex2020_170420で公開している。