東レは環境配慮型素材のグリーンイノベーション(GR)事業拡大を全社の中期の重点課題の成長分野の一つと位置付け、注力する。繊維では、引き続きバイオ由来合繊とリサイクルを柱にしながら、多様な切り口で繊維GR製品を広げる。
バイオ由来は、「エコディア」の総合ブランドで展開し、なかでも原料の約30%を植物由来で置き換えたポリエステル「エコディアPET」を強化している。非可食の廃糖蜜から製造しているのがポイントで、トレーサビリティー(履歴管理)も徹底する。100%植物由来のポリエステルも試作済みで、原料プラントの立ち上がり時期をみながら、20年代のできるだけ早い時期に量産化を見据える。
リサイクルは昨年から、回収ペットボトルの高度な利用を狙った事業ブランド「&+」(アンドプラス)をスタートした。注目が高まっているリサイクル素材で、フィルタリング技術を用いることで衣料繊維で重要になるポリマーの白度や粘度を追求、アップサイクル型の高付加価値なリサイクルを進める。
すでに大手小売業などとの取り組みが始まっており、スポーツなどへの広がりも期待。専用サイトやSNSでの発信にも力を入れ、消費者へのアピールも強めていく。
(繊研新聞本紙20年7月28日付)