YKKは今年、環境への取り組みの長期的な方向性を示す「YKKグループ環境ビジョン2050・人と自然の未来をひらく」を策定し、グループ全体で高いレベルの環境経営に取り組んでいる。「今もっとも尊いステークホルダーになっているのが自然や環境」(大谷裕明社長)と考え、企業としての在り方だけでなく、環境に配慮する物作りやファスナーの開発を加速することで、アパレル企業のサステイナブル経営に寄与する。
企業活動として「気候変動への対応、脱炭素社会への貢献」「資源有効活用の最大化」「水の持続的な利用」「自然を豊かにする社会活動の推進・共生」など取り組むべき課題を設定した。ファスニング商品の製造プロセスは染色、塗装、めっきなどで環境負荷を軽減できるものに見直し、サプライチェーン全体に浸透させている。
商品で実現する環境貢献では、リサイクルファスナー「ナチュロン」、植物由来ファスナー「グリーンライズ」、無水染色技術を使ったファスナー「エコダイ」などがある。持続可能な社会の実現のため、簡単操作開具ファスナー「クリックトラック」などユニバーサルデザインを取り入れた商品にも注力している。
(繊研新聞本紙19年12月4日付)