欧州のブランドを販売するインポーターのグルッポタナカは23年、様々な節目を迎えた。グループ会社が運営するセレクトショップのイザは開業20周年を迎え、南青山に構える東京店は広いスペースに移転した。取り扱いブランドの幅も広がり、「ヌメロ・ヴェントゥーノ」や「パトゥ」、「ニナ・リッチ」などに加え、24年春夏から「ボッター」、24年秋冬から「オルムステッドアウターウェア」の販売も始まり、扱いブランド数は八つになった。日本におけるインポートビジネスが厳しい時代を迎えるなか、注目のブランドを集める力はどこにあるのか。原動力を聞いた。
口コミが点と点つなぎ線に
――近年ブランド数を増やしています。そのきっかけは。
ヌメロ・ヴェントゥーノの成功が、ビジネスの広がりのきっかけになりました。
成功の理由の一つは値段設定にあると思います。イメージは「ドルチェ&ガッバーナ」や「ヴァレンティノ」の半分くらい。「お値段以上にかわいい」を目指して、今も私が一枚一枚値付けをしています。たかが1000円、2000円の差。されどその差にはインパクトがあります。
ドレスの場合、二の腕や膝が隠れていたら、多くの人が手に取りやすいように値段を抑えるとか。感覚的ですが、一枚一枚の顔を見て決めています。デザイナーのアレッサンドロ・デラクアもアクセシブルな価格帯を目指しているので、方向性が合致しました。
現在、勢いがあるのはパトゥです。20年に契約して以降、企業のステージはぐっと上がりました。表参道ヒルズの旗艦店をはじめ、ショップ・イン・ショップも増えて6店に。24年には7店目を出します。卸先のドア数は約40となりました。
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