90年代後半から00年代にかけて、本紙にストリートスナップの記事をたびたび掲載していました。30年近く前の、都会の一瞬を切り取っただけの記事ではありますが、その背景を店や企業に取材し、ときには売り上げなどの数字も入れていて、当時の商売の動きも少しわかります。“平成リバイバル”など様々なレトロが注目を集めている昨今、改めて読み返すことで、ビジネスに通じるヒントが見えてくるかもしれません。ベテラン記者が振り返ります。
※本文は読みやすく直しています。社名やブランド名などは原文のまま掲載します。
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一気に爆発、ベアバック・チューブトップ
2000年6月3日付

ひもで結ぶホールターネックにハイネックのベアバックやチューブトップ。背中見せが夏の新鮮スタイルだ。一昨年にヒットした金太郎タイプとは違い、女っぽさが決め手。エレガンス系OLにも広がって、渋谷ギャルの独擅場(どくせんじょう)だった露出ファッションが大人の間でもブームになってきた。
大人の女性たちが着ているのはハイネックやボータイのベアバック。肩のない、襟から斜めに流れる袖ぐりが目新しく、70年代調の味も今年の気分に合う。リッチな海外ブランドやデザイナーブランド、大手アパレルから渋谷109ショップまでさまざまなところが売り出している。
突然一気に爆発したといった感じのベアバックブームに、「コンサバに振りすぎた。背中見せ商品は予想外。これから投入する」とMD修正におおわらわのショップもある。
渋谷の女の子たちは圧倒的にチューブトップだ。胸元を折り返したエレガントなチューブドレスも目に付く。ブラのストラップを見せて、チューブトップをキャミソールのように見せる着方も出てきた。109ではパレオを背中で結んだタイプや前後で素材を変えたものなど、先行の強みでデザインも豊富になっている。
《記者メモ》
可愛く言えば「肌見せ」ですが、これは「なんでもあり」に極端に振れていたころの姿かもしれません。
(赤間りか)

