【働く環境と仕事への思いは?】「オリヒカ」水野谷果歩さん 客からの信頼がやりがいに

2025/11/17 05:30 更新


「オリヒカ」錦糸町テルミナ店 水野谷果歩さん

 ブランドやショップの魅力を伝え、客を引き付ける重要な役割を担う人材。客視点や満足度向上に、日々の学びと努力で経験を積んでいる。成長やスキルアップには会社のサポートも大切。会社の成長を支える期待の戦力に環境や思いを聞いた。

 「希少な環境で働いているので学びも多い」と、オリヒカ錦糸町テルミナ店の水野谷果歩さん。東京都内の駅ビル上層階立地の狭小店は少数精鋭だからこそ、入社から半年ほどで店長に次ぐ2番手の責任あるポジションを任されることもある。

努力を積み重ねて

 水野谷さんがAOKIに入社したいと思ったのは、「接客のアルバイト経験から人と接するサービス業が向いている」と考え、飲食やアパレルなど分野を絞らずに大学時代に就職活動をする中で、同社のインターンシップに参加したことがきっかけになったという。ヒット商品の「パジャマスーツ」が顧客の小さな声から企画・商品開発につながっていった経緯などを知り、「会社全体にお客様に寄り添う気持ちがあふれていることを実感できた」からだと振り返る。

 入社前はファッション業界の華やかな面ばかりに目が向いていたが、実際入社してみると、客視点での売り場整理やマネキンを使った試着の練習など「地道な努力が積み重なって、お客様に満足してもらえる接客サービスを提供できるのだと理解できた」と強調する。店頭の接客などで悩んだ時には、研修で学んだ販売員としての基本動作に立ち返ることの大切さを思い出すことが多い。

着回し提案の面白さ

 初めて配属されたのが現在のオリヒカ錦糸町テルミナ店だ。オリヒカはカジュアルアイテムが多く、デザインや色・柄などが多様なためコーディネート提案が難しくなるが、自分のスタイリング力を発揮するチャンスでもあるので面白さもあるという。ビジカジスタイルが得意なオリヒカでは、1着のジャケットに3本のパンツを組み合わせることで3通りの着回しができる「ワンバイスリー」という提案を強化している。この着回し提案は新人研修で徹底されただけでなく、ロールプレイング大会「オリフェス」のテーマとしてもフォーカスされるなど全店で力を入れている。前回の優勝者による学習会では、接客時のテーブルワークの立ち振る舞いの美しさはもちろん、客の興味を引き付ける会話術、さらに商品への愛の深さに圧倒された。

 「やりがいを感じるのは、お客様の信頼を得た時」という水野谷さん。今後の目標は、まずサブマネジャー、マネジャーに昇格すること。そのためにも日々の接客スキルを向上する努力を惜しまない。それだけではなく、「店舗運営上の作業の緊急度・重要度が見極められるようになる」ことが課題だ。将来的には「本社でスタッフ教育にかかわることで、オリヒカの成長にも尽力したい」と考えている。

(繊研新聞本紙25年11月17日付)

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