「ほめる文化」で人的資本経営を 組織活性化の起点の一つに

2024/04/23 13:00 更新有料会員限定


 いま注目されている「人的資本経営」。23年3月期から有価証券報告書に人的資本情報の開示が義務化され、一気に関心が高まっている。従業員の構成などの人事情報や人材投資額といった定量的な情報のみならず、従業員満足度(ES)やモチベーションなどの定性情報なども、開示項目に含まれる。本稿ではESや従業員のやる気など後者の定性情報の向上に結びつく、「ほめる文化」について考えてみたい。

(駿河台大学名誉教授、日本コンプライアンス&ガバナンス研究所代表理事 水尾順一)

ピグマリオン効果

 部下や組織の行動や態度をほめることで、ほめられた相手は喜びを感じるとともに士気が高まり、人的資本経営に必要とされる、ESやモチベーションの向上につながる。

 このことを証明したのが、米国の教育心理学者ロバート・ローゼンタール氏らが提唱したピグマリオン効果、別名ローゼンタール効果とよばれることもある。これは「他者からの期待によって、相手の能力やパフォーマンスが向上し、成長を促進する心理的効果」を指す。

 つまり、相手にほめ言葉で期待をかければ、相手は期待に応えようと努力して、成長につながる、ということで称賛型のリーダーシップともいえよう。

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