インナー・レッグウェア業界の買収・資本提携 コロナ下で明暗も中長期的成長後押し

2022/02/21 06:30 更新有料会員限定


業績を急回復させたピーチ・ジョン(新ミューズ発表会)

 インナー・レッグウェアは、実用品としての需要が比較的安定した業界。メーカー機能やきめ細かい在庫管理が必要で、新陳代謝もそう激しくない。それでも00年代以降、多くの買収や資本提携が行われた。流通・消費環境の激変やコロナ下で明暗を分けた事業もあるが、中長期的には企業成長の大きな一因になり、グループ全体の収益に貢献する事業も多い。最近は、効率化や親会社との相乗効果を高めようと、事業内容の点検や再構築、組織体制の再編を進める動きも目立つ。

(山田太志)

 00年代以降の主な買収や資本提携は表の通り。ワコールホールディングス(HD)の案件が多い。ピーチ・ジョンは、大きなのれんの減損損失を計上するなど厳しい時期を経た後、ここ2年は急速に業績が浮上した。21年4~12月の連結決算では、グループの営業利益51億円のうち16億円を稼ぐ。英国の旧イヴィデンを母体とするワコールヨーロッパも営業利益13億円、前年同期比の伸び率は6倍強と大きい。DNVB(デジタル・ネイティブ・バーチカル・ブランド)企業の米・IO社は先行投資段階だが売上高は27%増と、欧州同様にコロナ下での消費回復が鮮明だ。

大きいサイズも

 一方、ルシアン、Aiは4~12月も営業損失が残る。ルシアンは今春、マネキンの七彩とともに本拠を新大阪から京都に移転、ワコールとの連携強化で立て直しを目指す。Aiはリゾートウェア需要の回復を待つ。

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