23年4月に設立したブランドコンサルティングやイベントディレクションが主力のイロエンターテインメント(東京)。社長の色川裕哉さんは、前職のバッグOEM(相手先ブランドによる生産)会社で、高感度層向けの八百屋「代官山青果店」を立ち上げた異色の経歴を持つ。ファッション業界と農業に人脈がある色川さんにとって、サステイナビリティーや地域創生への意識の高まりは追い風。「楽しくてエシカル(倫理的)」をモットーに、百貨店やアパレル企業と協業し、多くのサステイナブル関連イベントを手掛けている。
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農業との出合いを経て独立
――代官山青果店を立ち上げた経緯は。
知り合いの農家がコロナ禍で卸先を失い、困っていると聞いたことがきっかけです。当時は勤めていた会社の仕事も激減し、時間があったので何か力になれないかと考えました。思いついたのは、ファッション業界の視点を取り入れた新しくておしゃれな八百屋を立ち上げ、自分たちが卸先になること。ただ、いきなり門外漢が八百屋を始めても、仕入れ先の農家の方に認めてもらえない。そう考え、畑を借りて一から農業を学びました。これがとても楽しくて、夢中になって農業に目覚めました。農家の方々とのつながりができたのも大きな財産です。
代官山青果店を開いたのは20年の7月。コンセプトはセレクトショップ風の八百屋です。洋服屋のようにおしゃれなVMDを取り入れ、生産者をブランドに見立て、格好よく見せることにこだわりました。サステイナブルであることも重視しました。例えば、廃棄になる前の野菜を使った弁当の販売や、規格外の野菜の詰め放題サービスなどです。
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