日本化学繊維協会は23年度(23年4月~24年3月)の化学繊維ミル消費量の調査結果をまとめた。ミル消費量は77万3000トン(前年度比4%減)で統計を始めた00年以来で最低水準となった。輸入品比率は前年度比1ポイント上昇し、55%となった。
ミル消費とは、化合繊メーカーなどが作る糸・わたの国内生産量から輸出分を除き、海外からの糸・わた輸入を加えたもの。国内の織・編み物、不織布など糸・わたの消費量を示す指標となる。
23年度の国産品は35万1000トン(5.4%減)、輸入品は42万2000トン(2.8%減)でいずれも減少した。長繊維やわた売り、紡績糸、長繊維不織布などとして市場に投入されたミル消費量は77万3000トンで、リーマンショック翌年の09年79万3000トン、コロナ禍の20年79万1000トンを下回った。
用途別では衣料用12万4000トン(11%減)、家庭・インテリア用39万7000トン(3.4%減)、産業資材用25万2000トン(1.2%減)で、衣料用の落ち込みが顕著だ。衣料用の内訳は、国産品が5万2000トン(11.9%減)、輸入品が7万3000トン(9.9%減)。国産品は00年比84.1%減の5万2000トン、輸入品は同14.1%増の7万3000トンとなった。
素材別では長繊維不織布が20万トンと最大で、前年度比では7.8%減少。ポリエステル長繊維は17万6000トン(4.9%減)、ポリエステル短繊維は15万トン(4.2%増)、レーヨンなどのセルロース短繊維は6万9000トン(4.2%減)、ナイロン長繊維は6万1000トン(12.9%減)、アクリル短繊維は9000トン(18.2%減)、セルロース長繊維は8000トン(11.1%減)だった。