JMウエストン財団が靴職人の支援アワードの授賞式

2017/11/14 04:27 更新


受賞者の作品。左から星野さん、上村さん、マルシャルさん、ロシャールさん

 ジェイエムウエストン財団は、「第1回ジェイエムウエストン・ファンデーションアワード」の授賞式を、在フランス日本大使公邸で開いた。この賞は、仏靴メーカー、ジェイエムウエストンの手工芸と技量の継承、発展を目的とする同財団が、日仏の若い靴職人を支援する交換研修制度として設けたもの。

 相手国の選択についてクリスチャン・ブランカール同財団代表は、「世界で卓越した技術を探すと、職人技と細部までの配慮を持ち、完璧を追求する日本に行き着く」と強調。木寺昌人駐フランス特命全権大使は、「フランスと日本が今、良い関係にあるのは、このようなことが大きな要素だと感謝している」と同賞への思いを表した。

 フランスからはコンパニオン・デュ・ドゥヴォワール(フランスの専門職人の組合)で実習を終了したエンマレア・マルシャルさん(25)とクレマンス・ロシャールさん(27)が研修生として選ばれ、9~10月に1カ月ずつ、日本でビスポーク職人の靴作りと工場での流れ作業などを学んだ。日本からは、オーダーメイドシューズ工房で見習いをしている上村哲平さん(27)と、「ミスターミニット」で難しい修理を担当する星野雅子さん(35)が、ジェイエムウエストンのリモージュの工場で研修を受けた。

 授賞式では、4人が制作した靴が披露された。マルシャルさんは、木の葉をモチーフにした繊細なバレリーナシューズで日本のわびさびを表現。ロシャールさんは金閣寺からインスピレーションを受け、布地を取り入れソールも金色にしたオックスフォード。上村さんと星野さんは、好きな色を選んでジェイエムウエストンのシグネチャーローファーに挑戦した。

 同財団はすでに日本で第2回のアワードの準備に取りかかっている。(パリ=松井孝予通信員)




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