「キッズリパブリック」 総合子育て応援事業を目指す

2019/02/21 06:27 更新


 イオンリテールのベビー・子供向けの専門大店業態「キッズリパブリック」は、子育て応援機能を充実しながら出店を継続、20年度の分社化に備える。売り場の大きさを生かしたモノ、コトに加え、イオングループの機能を活用したサービスを充実、客層を広げるとともに、差別化につなげる。

(田村光龍)

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 「場とサービスを兼ね備えた総合子育て応援事業を目指す」(大前一也執行役員キッズリパブリック事業開発部長)。3300平方メートル前後が中心の専門大店として多店化しているキッズリパブリックは、物販はもちろんのこと、時間をすごしたり遊んだりする場所にとどまらない機能を充実する。イオンリテールのGMS(総合小売業)改革の一環として、20年度の分社化に向けた準備を進めており、消費者にモノ、コトに加えた新たなアプローチを行うことで加速する構えだ。

 総合子育て応援事業は、すでに行っている産婦人科医や小児科医のオンライン無料相談といったサービスに加え、保険や金融といったイオングループの機能を活用することを想定する。例えば出産に際してニーズの高い学資保険を提供する利便性を打ち出すといった形だ。イオングループには新体操教室を育成してきた実績などもあり、多様なサービスの提供が可能とみており、「ほかではできない」業態づくりにつなげる。

 さらに、これらのサービスを商品とともに、産前、産後、幼稚園、小学校と、子供の成長に合わせてスマートフォンアプリなどで提供していく。キッズリパブリックに限らず、イオンリテールの売り場ではランドセルといった強力な商材を持つこともあり、スクールに偏った使われ方をしていたという。産前からのアプローチを進めることで、プレママ、ベビー分野の拡大を見込む。

 キッズリパブリックは14年の立ち上げで、現在は玩具に絞った「モントイズ」2店と合わせて25店になっている。ノースポート・モール店(横浜市)を設けてグループ外に出店したケースもあるが、主にはイオンリテールの大型の新店と改装で配置を進めており、18年度はこれまでに7店を加えた。今後も同様の出店を継続する。ただ、当面は大型の新店計画が限られることから、改装を中心に配置を進めることになる。19年度は春の改装で開設することが決まっている東浦店(愛知県)など10店程度の出店を見込む。

 製販一体とする分社化への準備も進んでいる。商品と営業の本部機能を整えつつある。GMSではベビー、キッズ、玩具と分かれた分野の「垣根を越える」もので、別会社立ち上げの前段として事業部に移行することにしている。

機能を加え、プレママ、ベビー分野の拡大につなげる(ノースポート・モール店)



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