ファブリカは、日本における製造・販売権を持つ仏「ラコステ」ブランドで、顧客満足度の向上に力を入れる。今月をめどに、会員を対象にしたポロシャツ関連製品の保証制度を導入。経年劣化も含め商品に不備があれば商品交換に応じることを検討している。ポロシャツ製品の品質の高さを訴えるとともに、会員の増加も見込む。また、既存店の改装やターゲットをより明確にした店舗開発を強化する。5月末には国内で初めてキッズ専門のショップを開設する。
新サービスを利用できるのは、現在33万人を数える「チームラコステ」と呼ばれる会員。細かい条件などを精査している段階だが、ビズポロなどを含めたポロシャツ関連品を対象に、客の不注意や使用による傷・汚れ・色落ちなども含め、要望があれば無償交換に応じる方針という。導入の理由について、ディーター・ハーベル社長は「それだけ品質に自信があるということ。また、お客様と生涯にわたって関係を構築していくため」と話す。
同社が販売するポロシャツ製品の約3割は、本国が認可した秋田県の自社工場で作られている。定番の「L1212」をはじめ、ビズポロや外部との協業品など、年間30万着以上の生産能力を持つ。販売エリアで直接生産するのは世界的に珍しく、「それだけ日本製のクオリティーが高いことを示している」(ハーベル社長)という。
店舗戦略では既存店のリニューアルに力を入れる。年内の新規出店は数店にとどめる一方、既存店は店の役割を立地や客層に応じて明確化し、増床を含めて改装していく。4月3日には富裕層が多く来店する旗艦店の東京・日比谷店をプレミアムな雰囲気に刷新した。特定のターゲットに特化したショップ開発も進める計画で、5月28日に高島屋名古屋店に開設する「ラコステアンファン」は、国内初のキッズ専門店となる。
ファブリカの業績は増収増益基調。14年12月期売上高は110億円を突破し、「利益も前年に比べ3倍弱膨らんだ」という。販売スタッフを自社工場に派遣し、製造過程を経験させて接客に生かす取り組みや、インセンティブの上限を廃しモチベーションを引き上げる新たな社内制度を導入するなどの効果が出た。現在、国内の店舗数は134店。