リーバイスが再上場申請 DTCとウィメンズを拡大

2019/02/19 06:30 更新


 【サンフランシスコ=立野啓子通信員】リーバイ・ストラウス(米サンフランシスコ)が株式の再上場を申請した。背景には18年度(18年11月期)の好決算と、上場によって6億~8億ドルを資金調達し、流通と消費動向の変化に柔軟に対応していく狙いがある。

 166年の長い歴史の中で同社が株式上場したのは1971年。その後業績が振るわず、84年に創業者一族が自社株を買い戻し非上場企業となった。売り上げのピークだった96年度の71億ドルから減収が続き、03年には北米の工場を全て閉鎖しリストラが進んだ。11年度に現在のCEO(最高経営責任者)チャールス・バーグ氏が異業種のプロクター&ギャンブルから、翌年には「リーバイス」の社長としてキーンのCEOだったジェームス・カーレー氏が就任した。

 「25年ぶりの高い売り上げの伸びだけでなく、粗利益が増えた」(バーグCEO)という18年度決算は、売上高が55億7544万ドルで14%増(為替調整後13%増)、粗利益率は53.8%で1.4ポイント改善、営業利益率は9.6%で0.1ポイント改善、純利益は2億8314万ドルで0.6%増となった。

 けん引したのは、リーバイスブランドの13%増、売り上げの3分の1を占めるウィメンズの28%増、4年間2ケタ台の伸びを続ける自社小売りとECのDTC(ダイレクト・ツー・コンシューマー)。地域別では米国(構成比54.6%)10%増、欧州(29.5%)25%増、アジア(15.9%)8%増。

 成長の余地があるのはウィメンズと「将来は50%までもっていきたい」というDTC。世界110カ国に広がる824の自社店舗のうち北米は268店で、現状苦戦を強いられている百貨店を中心とする卸が3分2を占める。

 カーレー社長は、「ブランドの核になるのは、西部開拓から始まり、カウボーイ、50年代のハリウッドのエンターテイナー、60年代の反体制の若者、現在はスティーブ・ジョブス氏に象徴されるIT産業で働く若者など、自由と個性を主張する若者のアイコンでありオーセンティック」とする。消費者と直接つながるECで、スナップ、ピンタレストとパートナーシップが進んでいるが、今後はこうした動きがさらに強化されていくとみられる。



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