EC物流システムの開発・販売のロジレス(東京)はEC受注から出荷指示までを自動化する「LOGILESS」(ロジレス)が複数のECサイトを運営する中小事業者から支持を集めている。受注の9割以上を自動処理し、出荷指示を倉庫に出す。処理時間の短縮や人手不足への対応などから活用が広がっている。導入企業数はDtoC(メーカー直販)ブランドなどにも広がり、21年7月末で前期比2倍以上の約500社になった。
「ロジレス」はOMS(オーダーマネジメントシステム)とWMS(倉庫管理システム)を一体化し、EC受注を自動出荷する。楽天市場やヤフーショッピング、自社ECなど複数サイトそれぞれの管理画面で行う在庫の消し込み・更新作業の煩雑さ、ミス発生をなくす。
ロジレスの管理画面では複数サイトの受注情報を集約し処理できる。出荷指示も複数のWMSをつなぎ、複数倉庫にまたがる受注も、適所の倉庫に出荷指示を自動で出せる。入力間違いや住所の不備、確認が必要な受注データ以外を自動出荷する。倉庫事業者も同一システムを使っているため、受注データの受け渡し作業も必要なく、WMSの機能も充実しているので出荷作業を効率化できる。
中小事業者やDtoCブランドはコロナ禍でECモールへの新規出店や、期間限定店を出店するケースが増え、受注・出荷業務は一層複雑化している。ロジレスはクラウドPOS(販売時点情報管理)「スマレジ」とも連携が可能。一つでOMSとWMSの両方の機能を持つのでシステム費用も抑えられる。人手不足や作業の煩雑化、コスト削減に課題を持つ中小企業を中心に導入が増えている。